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コーヒーの木と品種


コーヒーの木はアカネ科の常緑樹で赤道直下の高地から北緯南緯25度までの『コーヒーベルト』と呼ばれる地帯で栽培されています。 ジャスミンに似た白い花を咲かせ、チェリーのような赤い果実をつけます。
珈琲の豆とはこの果実の中にある種子のことで、通常2個が抱き合わさっています。

コーヒーの木にはアラビカ種、ロブスタ種(カネフォーラ種ロブスタ)、リベリカ種の3大原種があり、それぞれエチオピア、コンゴ、リベリアが原産と言われています。

この内一般にレギュラーコーヒーに使用されるのはアラビカ種で、味わいや香りに優れており、最も多く栽培されています。
ロブスタ種は強い苦みがある一方、香りが弱く、一部を除き缶コーヒーやインスタントコーヒー、ブレンドの増量などに使用されています。
リベリカ種は日本では殆ど利用されていないようです。

アラビカ種も更にティピカ種、ブルボン種、カツーラ種、スマトラ種、ムンドノーボ種、カツアイ(カトゥアイ)種など様々な種類があり、同じ品種でも栽培地域や標高などにより味が変わります。

アラビカ種の主な分類
ティピカ種
 
ブルボン種 スマトラ種
 
アマレロ
カツーラ種 ムンドノーボ種
 
カツアイ種 アカイア種
マラゴジペ種  
(ロブスタ種)
   
(ケント種、バリエダ・コロンビア種、イカツ種など)

主なアラビカ種の特徴

ティピカ種

エチオピアが原産で、現在流通しているアラビカ種の最原種と言われています。樹高は高く、また生産性も低いです。病虫害にも弱く、セイロン(現スリランカ)ではさび病の為全滅にあっています。

年々栽培面積が減っているものの味が良いため最近では新たに栽培するところも増えてきていると聞きます。

上品な酸味と甘味が特徴と言われています。

ブルボン種

ティピカ種の突然変異でマダガスカル島とモーリシャスの間にあるブルボン島(現レニオン島)で発見されました。ブラジルコーヒーの原型とも言われています。

隔年収穫型で生産性が低く、また病虫害にも弱いため栽培面積は少ないのですが、ティピカ種と同様、最近味の良さが見直されているようです。

コクのあるまろやかな甘味が特徴とされています。

アマレロ種(イエローブルボン)

通常ブルボン種の果実は赤色をしていますが、黄色に熟するものがありアマレロ種と区別しています。

通常のブルボンより甘味が強いという方もおり重宝されているようです。

カツーラ種

1915年、ブラジル・ミナスジェライス州で発見されたブルボン種の突然変異種です。

隔年結実型ですが生産性は高く、また直射日光にも強いとされています。

味はブルボン種に比べ酸味が強く、渋みがあると言われています。

スマトラ種

インドネシア・スマトラ島で独自変化したティピカ種の突然変異種とされているようです。

時にスパイシーと表現される個性的でコクの強い味と言われています。

ムンドノーボ種

ブルボン種とスマトラ種の交配で出来た品種で、現在ブラジルを代表する品種です。

樹高は高いものの生産性は良く、また病虫害にも強いとされています。

酸味、甘味、苦味のバランスが良いものの、ブルボン種に比べ渋みが出やすいとされています。

アカイア種

ムンドノーボ種の一種でスクリーンメッシュ17/18以上の大粒なものはアカイア種として流通しています。

味はムンドノーボ種と殆ど変わりありません。

※スクリーンメッシュ
生豆の大きさを表す単位です。スクリーンメッシュが17ならば64分の17インチのメッシュ(ふるい)を通り抜けない大きさということになります。
カツアイ種

ムンドノーボ種とカツーラ種の交配種です。ムンドノーボ種に比べ樹高が低く、また生産性も高い品種です。病虫害にも強く栽培しやすい為、近年栽培面積が急速に増えていると言われています。

味はソフトで果実の色は赤く熟するものと黄色に熟するものがあります。

その他

アラビカ種とロブスタ種を交配したものや、更にアラビカ種と戻し交配したものなどがあります。病虫害に強く、環境の変化に強く、生産性も高いものの、味的にはアラビカ種に比べ明らかに劣るとされています。

コーヒーの木は神経質

コーヒーの木、特にレギュラーコーヒーとして一般に飲まれているアラビカ種の木は大変神経質です。
通常、日当たりが良く水はけの良い山の斜面を好みますが、乾燥に弱く、日当たりが良すぎるのを嫌います。雨を好む一方、水はけが悪いと簡単に根腐れを起こしてしまいます。また病気に弱く、過去に何度か蔓延してある地域のコーヒーの木が全滅の危機にあっています。

赤道に近く、標高の高い山の斜面で霧が発生するような場所を好むので、栽培するほうも大変です。急な山の斜面では機械の導入も難しく、収穫から豆の精製、運搬まで殆ど人力で行っています。
一方、コロンビアやブラジルなどの大規模農場では広大な土地に灌漑設備を設け、木々の間に日除けのバナナを植えるなどして環境を整え、機械を導入して収穫から豆の精製、運搬まで行っています。

現在では品種の改良が進み、病気や環境に比較的強く樹高が低めで栽培のしやすい品種が登場していますが、やはり神経質なことに変わりはないようです。
日本でも研究などを目的として栽培しているところもありますが、気候や土壌が合わないのか、結実しなかったり、しても十分な味にならないようです。

なお、ティピカ種やブルボン種をアラビカ種の2原種として他の品種より味が優れているという向きもあるようですが、品種の差もさることながら、土壌や気候の違い、栽培方法などにより味は大きく違ってくると私は思っています。

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2005/01/11 アラビカ種の品種について追加
2001/??/?? 新規作成