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マスターの独り言
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- 十里木キャンプ場〜富士宝永山 (その2)
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【2009/08/27(木)】
[お出掛け]
キャンプ二日目の朝、昨夜は早めに就寝した事もあり空が白む前に目が覚めてしまいました。
夜半過ぎにパラパラとテントを叩く雨音が断続的に聞こえていたので、てっきり雨が降ったのかと思っていたのですが、どうやら大量の夜露が雫となって木々から落ちてきただけのようでした。
管理人さんの話によると、十里木キャンプ場は雲の通り道にあたり雨が多いとの事。おそらく、昨夜もここは雲の中だったのでしょう。
しばらくは独りでプラプラ過ごした後、夜が明けてきたので四阿(あずまや)で珈琲を淹れてから妻と子供たちを起こし、早めの朝食にしました。メニューはシリアルクラッカーと魚肉ソーセージにお菓子。いやー、なんて豪華な朝食なのでせう(^-^;
朝食後は、子供たちとアスレチックで遊んだり、テント内でゴロゴロとくつろいでのんびりと1〜2時間程過ごした後、荷物を片付けて撤収しました。
管理人さんが『もう少しゆっくりしていったら?』とおっしゃってくださいましたが、富士山で少しハイキングをしてから帰る予定でしたし、次の日は仕事でしたから帰りの運転等を考えて早目の行動としました。
荷物とゴミの最終確認をしてから改めて管理人さんにお礼を述べ、十里木キャンプ場を後にして富士山スカイラインを登って行きました。
前日は曇り空であった為、富士山を見ることが出来なかったのですが、本日は快晴とまではいかなくてもまずまずの天気。子供たち念願の富士山を生で見ることができました。
写真は水ヶ塚パーキング場からのワンショット。宝永山とその火口が良く見えます。
写真左手、森林限界のフチにある白い3つの点の周辺が表富士宮口(五合目)駐車場、そこから少し右上に行き、尾根沿いに見える白いラインが新六合目。今日は表富士宮口から宝永山までぐるりと一周する予定なのですが、こうしてみると結構な距離がありますね(;^_^A アセアセ・・・
事前にネットを参考に計画を立てた妻曰く、
「途中、樹林帯を抜ける場所もあって、一周、2時間くらいらしいよ(o^-')b」
と、言ってましたが、果たしてその結末はいかに・・・。
表富士宮口の駐車場は意外なほど車が多く、止める場所を探すのに苦労しましたが、幸いにも登山口からさほど離れていない場所に空きを見つけることができました。
ドリンク類と行動食、ウィンドブレーカー代わりのジャケットのみをパッキングし、取り敢えずは新六合目を目指して歩き出します。
富士山は火山ということもあって登山道は細かい軽石状の砂利で覆われており、北アルプスや八ヶ岳などに比べると少々歩き難い道でした。
毎度の事ながら、日頃の運動不足もあって歩き始めは辛いものの、暫くして体が温まってくると段々と調子が良くなってきます。
ちなみに、山歩きの際、疲れにくい歩き方というかペースの取り方というものがありまして、
『だら〜んと下げた両腕を同時に前後に振って歩く』
というのがその方法です。言葉だと分り難いかもしれませんが、通常は左足を出すときに身体をひねって右腕を出すところを、
『両腕を前に出すと同時に左足を出し、両腕を戻して(1拍)、次に両腕を前に出すときに右足を出す』
と言う感じで、平地を歩くときの半分のペースで足を運ぶ事になります。右手と右足を同時に出す、いわゆる「難波(なんば)歩き」の変形です。ノルディックスキー(歩くスキー)で両手にストックを持ってスケーティングするリズムと言えば分るでしょうか。
程なく、新六合目へ到着。「何とかと煙は〜」の例え通りといいますか、久々の高地にわくわくしている私ですが、娘達はちょっと元気がなさげ。
ただ単に体調がすぐれないのか高山病なのか判別し難いところですが、頭痛は無いとのことでしたからゆっくりとしたペースで先に進む事にしました。
新六合目で少し休憩を取った後、宝永山火口目指して歩いて行きます。富士山頂を目指す人は左手へ、宝永山へはトラバースするようにまっすぐ進んで行きます。
新六合目から宝永山火口分岐までの道はなだらかで気持ちよく歩く事ができます。
所々にヤマホタルブクロが咲いており、久しぶりに見るハイマツに
「高山に来た!!」
って感じで私のボルテージは上がりっぱなしなのですが、やっぱり娘達はテンションが低いまま。
うーん、いつものように体力的には余裕があるのに気分が乗らないだけなのか、それとも本当に体調がすぐれないのか・・・。
私は以前、ネパールへ行った際、標高3500m付近でレインウェアも着ずに雨の中で作業をしていて風邪を引いてしまい、その後、4000mを超えてから酷い頭痛に苦しまされた事があったのですが、娘達の症状はその時の高山病の症状とは違うようでした。
何度か本人に確認するものの私達への気遣いなのか二人とも「大丈夫」と言うばかり。気分が悪くなったり頭痛がし始めたら教えてくれるようにと言いつけて、とりあえずは先に進む事にしました。結構、無謀ですな・・・。
まもなく、宝永山分岐へ到着。宝永山へは写真に見える第一火口を通ってその先の斜面を登っていきます。
こうしてみるとそこそこの距離はあるものの、左上へ伸びた登山道が折れ曲がる地点まで行けば、宝永山の山頂まではすぐのように見えます。
ここで子供たちに再度の確認。二人とも
「うーん、行きたい」
との事でしたので、予定通り向かう事にしました。
宝永山第一火口へはちょっとしたガレ場があるものの、後はとても簡単な道。火口で小休止を取った後、いよいよ宝永山を目指します。
お菓子を食べて元気が出てきた娘達。道も歩きやすくこの調子なら楽勝と思いきや、この後、相当の苦労を強いられ事に・・・(^-^;
写真で道の色が変わっているところが分るでしょうか?
この辺りから斜度が増すのですが、それと共に比較的硬い地面から、細かい軽石で埋め尽くされた恐ろしく歩き難い道へと激変します。
足を踏み出してもずるずると埋まるように崩れる足元は踏ん張りが利かず、一歩の距離に倍以上の労力を必要とします。新雪の雪山登山に似ていると言えば分ってもらえるでしょうか。
一気にペースが半分以下に落ち、明らかに足取りが重い二人に、
「あそこまで行けばもうすぐだから」
と登山道の先を指差して励ましますが、いざ、その地点へ着いてみると・・・、
・・・まだ、こんなにある(T^T)
もう、完全に騙されました。
分岐の場所から見た感じだと、ここから宝永山山頂までは火口からここまでの半分くらいに見えますが、実際にはまだ2倍弱程の距離があります。
ただ、この先すぐに、直登に近いルートの他につづら折の道があり、こちらは比較的固い地面であった為、楽に歩く事ができました。
どうやらこの恐ろしく歩き難い道は、下りの登山者がブレーキを掛けるたびに地面を削り、それが積み重なって出来上がったようです。写真、道の先に見える砂煙は下山中の登山者が巻き上げたものです。
その後も這うようなスピードで休み休み登り続け、ようやく宝永山の稜線に出ました。
絶景を前にしながら、疲れ果てて声も無く座り込む娘達(^-^;
それでも、後ほど尋ねてみたところ、疲労困憊ながらも眼前に広がる景色に感動はしていたようです。
宝永山山頂でしばし休憩を取った後、子供たちの体調から言って予定のコースで帰るのはリスクが高いと考え、来た道を引き返すことにしました。
そもそも、一周2時間弱のはずが、既にそれ以上の時間が掛かってます。
そう、既にお気づきの方もいらっしゃるでしょうが、妻が言っていたコースというのは宝永山を登らず、火口分岐から表富士宮口駐車場へ戻るコースなのです(;^_^A アセアセ・・・
出発前に登山口にある看板を見ながら幾度か妻に確認を取ったのですが、やはり自分で調べておかないとダメですねヾ(_ _。)ハンセイ…
娘達の元気の無さがただの疲労であるならば、十分な休憩をとって体力を回復させてから下山するところですが、仮に高山病であったならば多少無理してでも出来るだけ早く高度を下げた方が良いわけで、判別が付きにくかったのですが極力早めに下山する事にしました。
二人に声をかけて出発するも、足取りが重く中々進まない様子。このままだと無駄に時間を費やしてしまうと判断し、私が背負って下山する事にしました。
娘の一人を背負って暫く運んだら一旦安全な場所におろし、妻に付き添われてごくゆっくり歩いてくるもう一人の娘を迎えに引き返します。こうしてピストン輸送を繰り返し、ともかく無事に駐車場まで戻ってきました。
結果的に3倍くらいの距離を歩いたでしょうか(^-^;
登るときには散々苦労させられた足首まで埋まる軽く細かな砂利も、下る際は適度なクッションとなりブレーキを掛けてくれる為、むしろ滑りやすい固い道よりも楽でした。
実は、小学4年生の娘達の体重を昔のまま18kgくらいだと勘違いしていた私は、途中、面倒だからと一人を肩車、もう一人を背負って二人同時に運んだのですが、思いのほか重く、がくがくと震える膝に、
「昔だったら40kgや50kgの荷物などたいしたこと無かったのに。あー、やっぱり体力も筋力も随分落ちたなぁ・・・。」
と内心しょげていました。
ところが、後ほど妻に効いてみると二人とも30kg弱程あるそうで、そりゃあ二人いっぺんに担いだら重いわけですな(;^_^A アセアセ・・・
さて、車に乗り込んでようやく一安心というところですが、久しぶりに酷使した両足がすでに筋肉痛を起こしていました。この状態だと帰りの運転が心配ですが、取り敢えずは急ぎ高度を下げた方が良いだろうと、駐車場で買ったドリンクをぐったりしている娘達に渡して走り出しました。
つづら折の道を前走車に合わせてゆっくりと下りていくうち、微妙なアクセルワークを強いられる右足がとうとう攣りだしてしまいました。脛から脹脛(ふくらはぎ)、太ももの前後(大腿四頭筋、大腿二頭筋)に至るまで、右足のありとあらゆる所が引き攣っています。
今のところ運転に支障は無いものの、結構痛いです。このまま愛知まで帰るのはかなりの苦行ですし、なにより危険です。
そこで、水ヶ塚駐車場までたどり着いて妻たちがトイレに行っている間、車に積んであったポテトチップスを馬鹿みたいに食いまくりました。
筋痙攣にはナトリウムとカリウムの補給だろう、と。
これと併せストレッチを行ったところ、30分程して痙攣はすっかり治まりました。もっとも、時間と共に筋肉痛は酷くなる一方でしたが、仕方ないですね。
後部座席についた娘達はよほど疲れていたのか、程なく眠りに付き、愛知県に着くまで目を覚ますことはありませんでした。
帰りの東名高速道路は大型トラックも少なく程よく流れており、途中、岡崎インター付近で起こった事故渋滞に巻き込まれたものの、夕方の6:00前には無事、東名三好インターを出る事ができました。
娘達の希望に添って蔵寿司(回転寿司)で早めの晩御飯を済ませた後、家に着くなり布団へ直行した二人はそのまま昏々と眠り続けましたが、翌朝にはすっかり元気になっていました。
結局、娘達の体調不良はちょっと風邪気味だった事が原因だったようで、高山病と言えないまでも高所で症状が悪化したようです。
元気になった娘達は、
「高いところで具合が悪くなるのは(パパ達に迷惑が掛かるから)嫌だけど・・・、また行ってみたい!!」
と言ってくれましたから、大変でしたが、まあ良かったと言うことで。
もっとも、激しい筋肉痛に見舞われた私は、2〜3日程まともにしゃがむ事も出来ず、『今がチャーンス!!』とばかりにスタッフMことMariちゃんからヒザカックン攻撃を仕掛けられるも反撃もままならない有様でした・・・。
前々から娘達と一緒に高山へ行ってみたいと願っていた私。ちょっと強引でしたが、その一歩はなんとか叶えられました。
願わくば、体力のあるうちに色んなところへ行ってみたいなー。
っと、その前に、いつ娘達が『パパ、キモイ』とか言い出したりしないか、戦々恐々としている私です・・・。
だって、スタッフがみんなして、
「マスター、もうすぐSちゃん、Nちゃんから、『お父さん、嫌い』だの『話しかけないで!!』とか、言われるようになりますよ!!(嬉)」
って、脅すんですよ(泣)
酷いと思いませんか???
最終更新日:2009/10/04(日) 04:05:56
Posted by マスター
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