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マスターの独り言
十里木キャンプ場〜富士宝永山 (その2) >> |
- 柿其渓谷と忠犬マリ
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【2010/02/25(木)】
[お出掛け]
柿其(かきぞれ)渓谷へプチハイキングに行ってきました。
ここ暫くの間はSちゃんの起立性調節障害の件もあって家族の間に多少の“歪み”のようなモノが生じていました。口論が絶えないとかそこまでは酷くないのですが、時に妻と娘たちの間で感情的になることがあり、3人の間を取り持つ私も流石に気が滅入る事もありました。
木曜日は晴れて暖かいという予報でしたし、2年ほど前に海釣りにはまってから海にはよく出掛けても山に出掛けることは少なくなっていましたので、身体を動かす事は起立性調節障害の改善に役立つ事から、『気晴らしも兼ねてどこか良さそうな所へハイキングに行こうか』と、なったわけです。
インターネットで色々と検索し、自宅からの距離やハイキングの行程等を鑑み、長野県南木曽町にある柿其渓谷の霧ヶ滝を目的地としました。
当然の事ながら小学4年生の双子の娘達は、家庭行事ということで学校をお休みさせてのお出掛けです。
前日の水曜日は営業を終えてから妻の指令(笑)通りに弁当を拵え、なんやかやと私用と雑用をこなして自宅へもどったのが朝の4時過ぎ。子供部屋の二段ベッドにもぐりこんで眠りについたと思ったら、まもなく妻に起こされました。それでも3時間くらいは眠れたでしょうか。
外は予報通りの良い天気。つい先日までの寒さが嘘のような暖かさです。三寒四温の名の通り、こうして春になっていくのでしょうね。
子供達の準備がまだのようなので私だけ一足先にGojuへと向かい、出発の準備をしました。
普段の買出しや所用にはミニキャブを使っていますが、今回はちょっとした遠出ということでレガシィBG-5 GT-Bの出番。久しぶりに乗ることからエンジンオイルや冷却水等を一通りチェック。問題はなさそうです。
荷物を積み込み妻たちが来たところでまずはお隣の昭和シェルへ。妻にガソリンを入れてもらっている間、私はタイヤの空気圧を点検補充していたのですが、ここでトラブル発見。左フロントのタイヤがペシャンコになっていました(^-^;
走り出す前のチェックで左フロントタイヤの空気圧が低くなっているのは確認していましたが、まさか完全に抜けてしまうとは。おそらくGojuの駐車場からでる際に段差を超えたショックでリムから抜けたのであろうと予想をつけ、そのまま空気を補充してみました。
結果、どこからも抜けること無く規定の圧+0.2kgf/cm2まで空気が入りました。タイヤをチェックしてみてもパンクの原因となるようなものは見受けられません。バルブもOKです。右リアタイヤも若干空気圧が低くなっていましたし、典型的なスローパンクチャーでしょう。
ごく短距離とは言えパンクした状態で走ってしまったのでサイドウォールのビート切れが心配ですが、扁平率の高いタイヤですし妙な膨らみも見られない事からそのまま出掛ける事にしました。
レガシィにはシガープラグから電源を取るタイプのエアコンプレッサーも積んでありますし、まあ無理をしなければ大丈夫だろうと(;^_^A アセアセ・・・
ガソリンスタンドから出た後は、タイヤの事もあるので前走車に合わせてのんびりと運転し、国道419号線から国道363号線を経て県道20号線へ。県道33号線へ入ってからトンネルを2つ過ぎて『道の駅・おばあちゃん市 山岡』で小休止。観覧車と見紛うような日本一のでっかい水車が目印です。
懸案の左フロントタイヤを簡易ゲージで改めて点検してみましたが、問題はなさそうで一安心。オイルの焦げる匂いがするのでボンネットを開けたところ、オイルポンプ下のエキマニ辺りからうっすらと煙が上がっていました。オイル漏れと言うわけではなく、まあ、この年式のレガシィには良くあるオイル滲みで支障はありません(^-^;
それにしても良い天気です。一応防寒具も持ってきましたが、半袖で十分な程の陽気。風が少々強いもののむしろ心地よい位のお出掛け日よりです。
小休止の後は県道33号線から国道363号線、国道257号線を経て国道19号線へ入り、南木曽町を目指します。小一時間程して南木曽町に入り、柿其入口交差点を左折して曲がりくねった細い道を進んで行くと、なんと「工事中通行止め」の看板が!!
「なんてこったい・・・」
と思いましたが、良く見てみると時間帯による通行止めらしく、幸いにも私たちが着いたのがちょうど日中に何回かある通行止め解除の時間でした。阿寺渓谷方面から恋路峠経由の迂回路があるとの事で帰りはそちらを通ることにして、そのまま先へと進みました。
民家の間を縫う舗装の剥がされたでこぼこ道を進み、所々にある案内にしたがってなんとか柿其渓谷駐車場に到着。すぐそばにある「きこりの家」の自動販売機には「冬期販売中止」の張り紙がしてありました。
まあ、さすがに私たち以外観光客は誰もいません。
さて、お弁当や珈琲道具等をパッキングし、穏やかな山間の林道を歩き出すとすぐに一匹の犬が親しげに近寄ってきました。
この辺りには至る所に「忠犬」の看板が立っており、
この付近で、犬を使った有害鳥獣の追い払いを実施しております。
この犬は、訓練等をしていますので人などに襲いかかることはありません。
もし、犬を見かけた場合は、無視するようにしてください。
と書かれていましたからすぐに忠犬だとわかりましたので、子供たちに相手にしないように説明しました。
林道を少し進み、案内板にしたがって左に折れ、ちょっとした登山道を登って行きます。地図には「急な坂道」と書かれていましたが、その通り、結構な坂道です。
『子供たちは大丈夫かなぁ・・・』
起立性調節障害を患っているSちゃんは遊んでいる時でもすぐに疲れてしまう為、いきなりの急な坂道で心配だったのです。
ところが、どういう訳か件の忠犬が、まるで私たちを道案内でもするかのように先へ進んでは引き返す事を繰り返しながらついてきた為、
「いぬちゃ〜ん、まって〜」
とご機嫌麗しく、無事に上の林道まで辿り着きました。
今日の目的地である「霧ヶ滝」は駐車場から40〜60分の道程。後は起伏の無い林道をこのまま進んで行けば良いだけです。
切り立った山の斜面を縫うように走る林道から見下ろせば、柿其渓谷はエメラルドグリーンに輝く淵を点々と抱きながら清らかに流れています。新緑にはまだ早い時期であったため視界を遮る枝も少なく、見晴らしも最高でした。
所々に残る雪に興奮気味の娘たちにあわせてゆっくりと歩いている私たちに、相変わらず忠犬はついてきています。
過去に右後ろ脚を骨折でもしたのかちょっと曲がっているようで走る時はびっこをひいていましたが、時折道をそれて斜面を駆け上る姿は全く元気そのもの。先へ進んではこちらを振り返り、戻ってきてはまた私たちの先へと進み、本当に道案内でもしてくれているようです。
映画館で【マリと子犬の物語】を見た事のある娘たちはいつしかこの忠犬を「マリ」と呼んでいました。
看板には「無視するように」と書かれていましたが、『旅は道連れ世は情け』とも言いますし、まあ、こうなったら身勝手ではありますが娘たちの為にも一緒に来てくれた方が助かると言うものです。
がけ崩れの痕跡が所々にあるものの歩きやすい林道でしたが、次第に凍結している箇所が増えてきました。30〜40分程歩いた辺りで一段と残雪が増え、路面の殆どが氷で覆われてしまいました。
工事車両が通るせいか砂利が載っていたりする所もあるため必ずしも滑りやすいわけではありませんが、少々不安です。
「スケートみたいで楽しい〜」
と、子供たちは喜んでいますが、もし、SちゃんやNちゃんの具合が悪くなって背負って帰らなければならなくなると、スニーカーでこの路面を歩くのは雪国育ちの私であっても結構厳しいです。
『あと5分歩いて着かなかったら引き返そう』
妻に私の考えを打ち明けて歩き出してすぐ、目的地である「霧ヶ滝」の看板が見えてきました。
林道から階段を降りて展望台へと向かい、とりあえず、無事到着です(^-^;
半分近く雪で覆われたさほど広くない展望台で、珈琲を淹れながらちょっと遅めの昼ごはん。
本当は行けない事と知りつつも、ここまで道案内してくれた忠犬にお礼を兼ねてお昼ごはんのおすそ分け(^-^;
なにげに首輪のタグを見てみると、忠犬の飼い主の連絡先と共に、「マリ」と犬の名前が書かれていました。まんまですね(^-^;
いや、でも本当に良い子で助かりました。おかげで子供たちの機嫌もずっと良いままでしたし。あー、スタッフのMariちゃんもこれくらいイイコだったら嬉しいのに・・・。ヾ(_ _。)オイオイ・・・
それにしても、久しぶりに山で飲む珈琲の美味しかったこと!! 今年一番の絶品でした。やっぱり珈琲は海より山だな。
30分程休憩をし後片付けをした後、来た道を引き返しました。
『ご飯ももらったし、もう用は済んだよ』
とばかりさっさと先を行くマリでしたが、それでも私たちがついて来ているのを確認するかのように時折立ち止まっては、遠くから見つめていました。
行きには結構かかったように感じた道程でしたが、帰りは思ったより早く林道と散策路の分岐に辿り着きました。
てっきり先に帰ったと思っていたマリですが、最後のお勤めとばかり(?)ちゃんと分岐で待っていてくれました。
私たちが散策路を下り始めるのを確認するやいなや、ダーっと駆け下りていったのでここでお別れかと思いましたが、結局駐車場まで一緒について来てくれました。
荷物をまとめて車に乗り込み、今日一日お世話になった忠犬マリにお別れを言って走りだしたところ、なんと車の横を小走りで付いてくるではありませんか(^-^;
マリの右後脚は猿や猪などにやられたものと思っていましたが、もしかしたらこんな風に車の後をついてきて、誤って轢かれてしまったのかも知れませんね。
『轢いたらどうしよう・・・』
とサイドミラーで確認しつつ気が気でなかったのですが、自宅と思われる民家の前で立ち止まり走り去る私たちを見送ってくれました。いやいや、最後まで本当にありがとう。
帰路はトラブルも無く、夕方6時過ぎには無事自宅に辿り付きました。体調不良が心配だった娘たちも、今回は忠犬マリのおかげもあって終始ご機嫌でした。私たちもリフレッシュできたことですし、行って良かったと思いました。
柿其渓谷の近くにはよりメジャーな阿寺渓谷があり、数年前に私たちも行ったことがあるのですが、個人的には柿其渓谷の方が好みでした。
散策路も見所も他にもあるようですし、また機会を見て訪れてみたいと思います。
最終更新日:2010/03/03(水) 01:53:00
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