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マスターの独り言
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- iPhone USB充電アダプタの作製
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【2009/08/25(火)】
[グッズ]
このエントリーに関して重要な追加情報があります。Twin driveの彼方へ(iPhone - 充電器の自作他)をご覧下さい(2009/10/05)
ここで述べている事柄について、当方は責任を負えません。実行する際は自己責任にてお願い致します。
自作USB充電アダプタ
上(1号機):D+/- → 10kΩ
下(2号機):D+ → 15kΩ :D- →10kΩ
製作途中の写真(1号機)
オスとメスのシールドはハンダ付けしてある。
配線が汚いのは試行錯誤の結果ということで(^-^;USB出力付き汎用ポータブル充電器をiPhoneで使用する為に、USBアダプタを作製しました。
作製といっても、USBタイプAメス型の D+/-端子 と VBUS端子をそれぞれ抵抗(10〜15kΩ)で接続(プルアップ)し、USBタイプAオス型と結合しただけのものです。オス型の D+/- はNC(未接続)にしてあります。
iPhoneは付属のコードを使ってPC等のUSBから充電できるので、USBタイプAコネクタのついた充電器であればそのまま利用できるはずなのですが、中々どうして、これが一筋縄では行きません。
iPhoneの場合、単純にVBUSとGND間の電圧が5Vあれば良いのではなく、D+、D- それぞれに2.5V程度の電圧が印加されていないと充電モードに入らないようです。
そこで、上記の改造を施したUSBアダプタを使用すれば、そのままでは充電モードに入らない、汎用USB出力付き外部バッテリーやUSB出力付きACアダプタからの充電が可能になるのです。
一方で、iPhoneは本体のバッテリー残量が少ないと標準的なUSBの出力 5V500mAを超える 5V800mA位の電力を要求すると言われており、出力の少ない汎用USB充電器の場合、iPhoneのバッテリーの残量が多い時は充電できても、残量が少ないときは充電が不安定になったり、全く充電できなくなる場合もあるようです。
そのような充電器でもとりあえず 4.7V300〜400mA程度(あくまで程度)の出力があれば、上記アダプタを使用することにより充電が可能になるようです。
※充電器の出力が小さい場合(例えば残量が少ないなど)、iPhoneのバッテリーが20%を切った状態でこのアダプタを使用して充電モードになっても、iPhoneの急速充電モードで消費される電力が充電される電力を上回るようで、特にiPhoneの操作をしていると、充電しているのにiPhoneのバッテリーが減ってしまうこともあります。
※このアダプタを使用するとある程度の出力が確保されている限り殆ど強制的(?)にiPhoneは充電モードになるようですが、その分充電器の負荷も大きくなると考えられます。自作して使用する際は特に充電器の発熱等に十分注意してください。仮に、充電器やiPhone等が壊れたり2次被害を生じても、当方は一切責任を負いません。
さて、以下はこのUSBアダプタを作製するに至った流れです。冗長ですので、暇な方のみどうぞ。
USBコネクタAメス型の端子写真。
USB出力付きACアダプタ等で携帯電話の充電に使えない場合、ShieldとGNDを短絡しておけば充電できるようになる。
(iPhoneの場合は不要)iPhoneは一般的な携帯電話に比べて容量の大きなバッテリー(3.7V 1400mAh?)を搭載しており、通常の使い方であれば十分な使用時間があるのですが、GPSだのゲームだのとついついいじりすぎる事が多い為、バッテリーが一日も持たない事があります。
自宅等であれば問題はありませんが、困るのが外出時。そこで、外部バッテリーの登場となるわけです。
ところが前述の通り、iPhoneの充電はちょっと特殊で充電器やケーブルを選ぶ為、購入の際には事前の情報収集と見極めが必要になってきます。
まあ、ネットで調べると、案の定と言うか、やっぱり苦労されている方も多いようで(^-^;
iPhone専用として販売されているものは別として、USB端子を備える汎用性のあるものでは SANYO eneloop KBC-L2S(出力USB 5V500mA×2 / 容量3.7V5000mAh) やDIATEC PowerBank Slim FPS220U、FPS440U(出力USB 5V1A / 容量3.7V2000mAh、4000mAh) などが定評あるようです。どちらもリチウム・イオン(eneloop)やリチウム・ポリマー(PowerBank)のバッテリーを内蔵(交換不可)しており、iPhoneを1.4〜2.5回ほどフル充電できるようです。
メーカーがiPhone対応と正式に謳っているものや、ユーザーによって動作確認がされているものを買えばまず間違いはないのですが、私の場合は単3ニッケル水素充電池を使用したくて、Panasonic の BQ-PP10K/F (ポケパワー)を買っちゃいました。
ネットの情報では、前モデルで発熱事故の為にリコールになったBQ-600はiPhoneに充電できたが、交換品として来たBQ-PP10は出来なかったとか、出来たとか、情報が錯綜していましたから不安はあったのですが、いざとなったら裏技(?)を使うつもりで購入に踏み切りました。
さて、ポケパワーに付属の充電式エボルタ(以下、EVOLTAとあるものは充電式エボルタの事)を活性化させるために2〜3回ほど充放電を繰り返した後、iPhone純正ケーブルを用いてテストしてみた結果、
iPhoneのバッテリーが
・60%以上の場合、充電可
・40〜60%の場合、充電できる時と出来ない時がある
・40%未満の場合、充電不可となりました(;^_^A アセアセ・・・
充電出来ない場合は、「充電(イナズマ)マーク」→「通電(コンセント)マーク」→(「バッテリーマーク」)→「充電マーク」・・・、というように充電の開始と停止をそれなりに高速で繰り返し(一応は充電が進む)、さほど時間をおかずにポケパワーの出力ランプが消えて充電が止まってしまいます。
これは単純にポケパワーの出力が追いつかない為、充電が止まってしまうのだろうと思ったのですが、検証していくうちにどうやら違う所にも原因があるようだと分ってきました。
前述したように、iPhoneの場合、USBのD+/-端子に電圧が掛かっていないと充電モードになりません。iPhoneが認識しないバッテリー式充電器やACアダプタをiPhoneに対応させる方法をネットで調べてみたところ様々な情報が錯綜(!?)しており、
・VBUSとD-を170kΩ、D+とGNDを170kΩ、D+とD-を短絡する。
・D+端子とD-端子を抵抗で繋ぐ。
・D+/-を10kΩあるいは15kΩの抵抗で、プルアップあるいはプルダウンする。
・D-端子とD+端子を15kΩの抵抗で繋ぎ、D+端子とGNDを15kΩの抵抗で繋ぐ。などなど、いったいどれを信じれば良いのやら、調べるほど混乱してしまう有様で(^-^;
決めてがないまま更に調べていくと、USBの仕様書(?)でホスト側(PCや充電器)の接続について次のような記述がみつかりました。
D+/-端子とGNDを抵抗で接続(プルダウン)=PC
D+/-端子とVBUSを抵抗で接続(プルアップ)=充電器うむ、どうやらiPhoneの場合、USBと接続した際に、D+/-とVBUS、GND間の電圧を調べ、プルダウンされているなら相手がPC、プルアップされていれば充電器として充電制御しているようだぞ、と思うことにしました(;^_^A アセアセ・・・
そこで、ネットで成功例のあるD+/D-端子とVBUSを 15kΩ の抵抗でプルアップしたもの(0号機)を作製してテストしてみました。
(以下、テストはポケパワー+EVOLTA+iPhone純正ケーブルを使用)結果は、
iPhoneのバッテリーが15%程度以上なら充電可
10%を切っている場合は充電不可(安定せず)となりました(-"-;)
念の為に15kΩの抵抗をプルダウンしたものでもテストしてみましたが、iPhoneのバッテリーが80%程度の場合でも不安定状態でまともに充電が出来ませんでした。
次に、10kΩの抵抗でプルアップにしたもの(1号機。写真の黒いカバーのもの)を作製しテストしたところ、
iPhoneのバッテリーが10%未満でも充電可
となり、喜んだのも束の間、フル充電したEVOLTAを使用し、iPhoneのバッテリーが90%程度の時に何気なく接続したところ、例の不安定状態が発生しました。なんてこったい・・・。
殆ど打ち砕かれた感じの私でしたが、iPodのコネクタの仕様を解説したページで、充電する際は、
D-端子に2.8V
D+端子に2.0Vの電圧を掛ける、という記述が有った事を思い出しました。
実は、「3端子レギュレーターを使用してD+/-に2.5Vの電圧を掛けたら上手く行った」というページもあったものの、そんな都合の良い物が手元にあるわけも無く、泣きながら(嘘)却下したのですが、そこには
D+/-の電圧が安定しないから充電できないのでは
という記述があったのです。どうやら、それが真相のようです。
気を取り直し、今更ながら手持ちの充電器の接続を調べて見ました(抵抗値はおよその値)。
ポケパワーの場合、
・D+/-とVBUSはほぼopen
・D+/-とGNDはそれぞれ36kΩ
・D+とD-は50kΩとなっています。iPodには充電できるがiPhoneのバッテリーが少ない時には充電できない他のものも似たような感じでした。
一方、iPhoneへ問題なく充電できる市販のUSB出力が2口あるACアダプタ(5V1A)は、
・D+とVBUSは30kΩ
・D-とVBUSは23kΩ
・D+とD-は53kΩ
(VBUS、GND間は約0.4kΩで、D+/-とGND間は上記VBUSの値よりそれぞれ0.1〜0.2kΩ程下回る)となってました。
ふむふむ、やはりD+/-の電圧が『鍵』のようです。
(無論、ただ端子間の抵抗を測っただけではあまり意味が無い事は承知しています)恐らく、ポケパワーの場合、iPhoneのバッテリーが少ない状態では、
要求する電力に充電器の出力が追いつかずD+、D-の電圧が低下→iPhoneが充電モードを解除して通電モードへ→(通電モードでも電圧が足りず、バッテリーモードへ)→D+/-の電圧が回復して充電モードへ→繰り返し・・・
と、なるのではないかと思います。もしかしたらポケパワーのD+/-の接続がプルダウンであることから、iPhoneがホストはPCだと判断して制御を入れるのかも知れませんが、15kΩでプルアップした0号機がiPhoneのバッテリーが10%を切る状態で充電できなかった事を考えれば、単純にD+/-の電圧が関係していると結論できそうです。
これらの事から、
D-とVBUS間に10kΩ
D+とVBUS間に15kΩの抵抗を接続した2号機(写真の木製カバーの物)を作成しテストしてみたところ、iPhoneのバッテリーが5%未満〜90%以上でもとりあえず安定して充電(※)できました。
※「とりあえず安定して」というのは、テストとその後の使用で上手く行ったからで、今後の条件しだいでは不安定になることも考えられるからです。また、バッテリーが0(iPhoneが起動しない状態)からのテストは、私の使用では有り得ない為、行っていません。
※たまたま機会があったので、iPhoneのバッテリーが0からテストしてみました。ポケパワー+EVOLTA+USB充電アダプタ+セリア(100均)のiPod用コネクタで約50%近くまで充電できました。純正ケーブルを使用していたら、もう少し充電できたかも知れません(2009/09/07追記)
本当はACアダプタの抵抗値を単純に半分にして11.5kΩと15kΩにしたかったのですが、手持ちが無く、皮膜抵抗を組み合わせるにはスペースが足りなかったので10kΩで代用しました。
なお、iPhoneのバッテリーが3%の状態から、フル充電済みのEVOLTAを使用して充電したところ、大体70%程度まで充電する事ができました。途中、iPhoneの操作をしながらでしたから、sleepモードなら75%程度までは充電できそうです。
充電式エボルタ6本分(3セット)で大体 eneloop KBC-L2S と同じくらいの容量になる計算ですね。
現在、乾電池を2本使用するUSB出力式携帯電話用充電器とポケパワーを併用し、子供たちと遊びに出掛ける際は、iPhone(妻用)、910SH(私用)、912SH(子供用)、DSLite×2台をまかなっていますし、充電式エボルタそのものを他の機器にも使用していますので、満足度は高いです。
まあ、紆余曲折があったものの、結果としてポケパワーをiPhoneの外部バッテリーとして使用することができました、ってことで、メデタシ、メデタシかな???
さてさて、以上の事柄を踏まえて個人的な結論を言えば、これからiPhoneの外部バッテリーを購入しようとしている方は、定評のあるeneloop KBC-L2S等を選ぶのがベストだと思います。
自宅に単3形のeneloopや充電式エボルタがごろごろしており、その資源を活用したい方や、すでにポケパワー(BQ-PP10)等を購入して使えずにいる方、あるいは私のような天邪鬼のような方はこのようなUSBアダプタを作製するのも手だとは思います。
なお、このUSBアダプタを使用して不具合が起きる可能性は否めませんが、色々検証(?)した感じでは、壊れるとしたらiPhoneよりも恐らく充電器の方だと思います(無論、保証はしません)
最後に、繰り返しになりますが、当然の事ながら私は責任を負えませんので、自作するなどして使用する場合はあくまで【自己責任】でお願いします。
【余談その1】
ちなみに、充電式エボルタとeneloop、現在市販されているニッケル水素(Ni-MH)充電池の中では共に継ぎ足し充電のできるNi-MH充電池として定評があり、どちらを選べば良いのか悩みどころですが、
充電式エボルタ
・最低保証容量(min):2000mAh
・1200回充放電可(JIS)
・1年後の容量80%eneloop
・最低保証容量(min):1900mAh
・1000回充放電可(JIS)
・1年後の容量85%となっています。事実上、殆ど変わらないと思っても良いのですが、気の迷いさんの実験などを見るとeneloopに僅かながら分があるようですね。
minの2000mAhと1900mAh、充放電回数の1200回と1000回は実際の使用においてまず、差はでないでしょう。
違いがあるのが出力の出方で、EVOLTAは初期が高目でその後穏やかに低下していくのに対し、eneloopは初期はEVOLTAに比べ低めながら、安定した電圧で最後にストンと落ちるようです。個々の電圧のバラツキも今のところeneloopの方が少ないようですし、1年後の容量が80%と85%というのも保管しておくならばそれなりの違いがあります。
特徴的なのはeneloopの充電終期の電圧の上がり方で、EVOLTAに比べ急激に立ち上がっています。これは充電器が充電終了を見極めるのに重要なサインですから、Panasonicの充電器でeneloopの充電は問題なくても、SANYOの充電器でEVOLTAを充電するのはもしかしたら問題があるかも知れませんね。
まあ、結論としては、『安い方を買っておけ』と言う事でしょうか(;^_^A アセアセ・・・
値段が同じならeneloopの方が良いかも知れません。
【余談その2】
Panasonicの急速充電器、BQ-391はなかなかの優れものです。単3形を一度に4本まで充電できるのですが、個別に充電制御しているので途中から電池を追加する事も出来ます。電池診断機能が付いていて弱った充電池でも状態に合わせて充電を行うそうなのですが、8年程前に購入し充電できなくなったTOSHIBAのNi-MH充電池(1500mAh)が見事に復活したのには正直驚きました。
電池はeneloop、充電器はPanasonicのBQ-391という組み合わせがベストかもー(もちろん、保証はしません)
【余談その3】
ポケパワーを購入する際の話で、「いざとなったら裏技を使うつもり」と記述した【裏技】ですが、このUSBコネクタのことではありません。
自宅にあった乾電池2本式のUSB出力式携帯電話用充電器(Topland M333)とポケパワーをY字形USBケーブル(タイプAオス型×2、タイプAメス型×1)で接続して使おうというものです。
(前述のページの方も同じようなことをされていて驚きました。やはり、世の中広いですね。いろんな方がいるものです)Y字形USBケーブルはUSBバスパワーで駆動するポータブルHDなどに付属していますし、逆流防止のついた市販品もありますが、100均で購入したUSBタイプA延長ケーブルとその辺に転がっていたUSBタイプA−タイプBケーブルを使用して作製しました。
実験の結果、iPhoneのバッテリーが20%を切っている状態でも問題なく充電できましたが、その後USBアダプタで充電できる事が判明し、また嵩張ることもあって現在は使用していません。
なお、この自作のY字形USBケーブルですが、市販品のように逆流防止のダイオードでもつけようかと思ったのですけど、Toplandのものはともかくポケパワーはその辺の対策はしてあるだろうと、そのままパラレル(ストレート)に接続しただけです(;^_^A アセアセ・・・
まあ、充電器に負荷がかかるのでお勧めできません。まさしく裏技ですな。
ちなみに、ToplandのM333単体でもiPhoneのバッテリーが60%以上なら充電できますし、メーカー保証外ながらeneloopや充電式エボルタなどのNi-MH充電池を使用することもできます。また、自作のUSBアダプタを使用すれば、iPhoneのバッテリーが20%未満でも充電モードになりますが、10%を切ると充電が上手く進まないこともありました。
※ネットではM333(FOMA 3G用)あるいはM334(au用)単体で、iPhoneのバッテリーが10%未満でも充電できたという情報もありますが、私が購入したものは無理でした。型番は同じでも中身が違うのかな?
実はこのM333、色々と実験を繰り返しているうちに壊してしまい、出力が4.3V程度しか出なくなってしまいました(^-^;
そこで、以前、ボーダフォンV604SH用に購入し、既に使わなくなって久しい乾電池2本式充電器があったので調べてみたところ、出力が5Vであったことからこれ幸いとUSBのコネクタのみ移植しました。D+/-端子はNCですのでiPhoneの充電には自作USBアダプタが必須となりますが、ちゃんと作動してくれています。最終更新日:2009/10/08(木) 01:38:43
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