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マスターの独り言

<< 馬鹿っぽい? ラテ・アート >>
 今更ですが・・・。
【2005/11/06(日)】
栗きんとん

えー、今更という感じもしますが、この時期限定のお菓子、モンブランの紹介をWebにアップしました。

昨年のものとは使用しているスポンジが違うのですが、今年は途中からマロンクリームの仕様も変わりましたので、それに合わせての紹介です。

スポンジはしっとりとしたジェノワース(共立て生地)からもっちりとした食感のジェノワースに変えました。現在、ロールケーキに使用しているものと同じです。

マロンクリームですが、以前は裏ごししたものを目の細かい茶漉しを通して搾り出していましたが、栗の粒が残るよう裏ごしをせずに少し目の粗い笊を通して乗せています。

見た目は以前のものの方がふんわり感が出ていて良いのですが、今回のものは栗の粒々も楽しめますので、見た目よりも味の方を取りました。


過去に何度か書いていますが、普通、モンブランというと市販のマロンペーストを生クリームなどでのばし、専用の口金で搾り出すのが一般的です。

では、何故Gojuでその方法を取らなかったかと言うと、一つは私がひねくれているというのもありますが、むしろ私が一般的なモンブランが嫌いだったという理由の方が大きいです。

そうです、実は私はモンブランが嫌いだったのです。


正直に告白致しますと、昔は知人宅によばれてモンブランを出されたりすると、表面上はありがたく頂いていても、内心は『うーん、気持ち悪いよ・・・』と思っていました(^-^;

どうしても、マロンクリームの味が好きになれなかったのです。

いや、マロンクリームだけではなく、栗きんとんも嫌いでした。あの【黄色く】て「もわもわ」「ねとねと」した食感は、今でも好きになれません。まあ、食べ(ら)れない程ではないですが・・・。

それが、ある時、年配の知人から中津川『すや』の栗きんとんをお土産に頂いたことがあります。もう、10年近く前のことです。

内心は『うっ、栗きんとんか・・・』と思っていたのですが、開けてまず見た目の違いに驚きました。

『あれ、これが栗きんとん?』

と。黄色くないし、ねとねともしていない。

その知人は食べ物に関するセンスが抜群で、紹介されたものが外れた事は一度もありませんでした。その人が自慢げに勧めるので、恐る恐る(?)口に入れてみたのですが・・・

「ぅんまあぁ〜〜〜〜〜いぃ!!」

いやもう、『ビックリ仰天、目から鱗』とはこのことかと思いました。恐らく、今までで一番驚いた食べ物だったと思います。何せ、自分の中に『好みではない』という固定観念がありましたから。

ですから、

『今まで食べていた栗きんとんは何だったの???』

と、ホントに思いました。

もう、お気づきだと思いますけど、それまで食べたことのある栗きんとんは【さつまいも】を(も)使用した栗きんとんだったんですね。

サツマイモは結構好きなのですけど、【栗(九里)より上手い十三里】というのは、こと、キントンに関しては全く逆だと思いました。

となると、今まで食べていたモンブランも、もしかしたらサツマイモを使ったものだったのかも知れません。って、そんなことあるのかな?
まあ、普通はマロンペーストを使っていると思いますので、多分、私はマロンペーストも苦手なのでしょう。

そんな訳で、スタッフから

「マスター、モンブランが食べたいです!!作ってください!!!」

と言われた時、悩んだ末にマロンペーストの替わりに栗きんとんを使ってみようと思い立ったのです。


さて、Gojuのモンブランですが、まずは国産の大粒の栗を茹でることから始まります。

そのまま鍋で茹でても良いのですが、時間が掛かるので、ここは圧力鍋を使います。

鬼皮付きのまま軽く水洗いしたものを強火に掛け、スチームが回りだしたら弱火で5分、火を止めて内部の圧力が下がるのを待ちます。

圧力鍋の蓋を開けれるようになったら、すぐさま笊に取り出し、水気を切ります。

余熱で表面の水気を飛ばしたら、栗を縦半分に切り、渋皮が混ざらないように竹べらで丁寧に実を穿り出します。この時、少しでも痛んでいるものがあれば、もったいなくても処分します。

次に、パイ・ブレンダーというバターと小麦粉を混ぜるときに用いる泡だて器の変形したような道具を使い、栗を細かく潰します。ポテトサラダを作るときに使うポテトマッシャーの親戚だと思ってください。

ある程度つぶれたところで三温糖と塩を加え、へらでよく混ぜます。加える砂糖の量は栗の状態で変えますが、菓子材料として用いますので普通の栗きんとんに比べ甘さを抑えています。

栗きんとんとして食べるのならこれを適量ずつ茶巾絞りにしてお終いですが、洋菓子であるモンブランの風味に合わせる為、更に一工夫して完成です。

スタッフに味見させてあげる事もあるのですが、取り分けた栗きんとんをアイスクリームでも食べるかの如く、スプーンでバクバクと口に運ぶのを見ると、悲しくなりますね(笑)

「お前らー、それじゃ、繊細な味が分らんだろうが!!少量ずつ、口の中で溶かすようにしてじっくりと味わわんかい(怒)」

と、言っても、

「えー、美味しいですよお(*^▽^*)」

と返されますので、形無しです(泣)。うちのスタッフってば・・・。


写真は完成した栗きんとん(マロンクリーム)です。これを厚手のビニール袋に小分けし、出来るだけ空気を抜いて冷凍保存します。栗の粒々が見えると思いますが、以前は裏ごししていた為この粒々の食感を味わうことが出来ませんでした。

もちろん、手間的にも遥かに楽になったのですが、出来上がったモンブランも以前より美味しいと思いますので、私的には一石二鳥です。

ただ・・・笊目で搾り出した栗きんとんが、ベビースターラーメンに見えてしまうのがちょっと・・・ですけど(;^_^A アセアセ・・・

もし、まだお召し上がりになったことがないようでしたら、是非一度お試し下さい。きっとご満足頂けると思います。

期間限定のお菓子でもありますので、どうぞ、よろしくお願いしますね。

最終更新日:----/--/--(-)
Posted by マスター

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馬鹿っぽい?

ラテ・アート