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マスターの独り言
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- ラテ・アート
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【2005/11/03(木)】
あまり出来はよくありませんが、ラテアートです。リーフ(葉っぱ)の模様に見えますか?
似たようなものに、デザインカプチーノというものがあります。ふわふわのミルクの上に、デフォルメされた動物や花、人の顔などが褐色の線で描かれているもので、見たことのある方も結構いらっしゃるのではないかと思います。
ラテアートとデザインカプチーノ、ベースとなるカフェ・ラテとカプチーノの違いは結構曖昧です。異論もあるかと思いますが、簡単に言ってしまうと、エスプレッソにミルクを加えたものがカフェ・ラテ、ふわふわに泡立てたミルクをのせてココアをトッピングしたのがカプチーノです。
実際にはお店によって呼び方は変わって来ますので、ラテのつもりで頼んだらカプチーノが出てきた、なんてこともあるかと思います。
さて、このラテアートとデザインカプチーノ、実は似ているようで技術的には全く別のものと言っても良いものです。
まず、デザインカプチーノの作り方ですが、エスプレッソにふわふわのミルクを注ぎ、出来たミルクのキャンバスに爪楊枝で絵を描きます。
はっきりとした線を描くに為に、予めエスプレッソにココアを振りかけておいたり、爪楊枝にココアを付けたりすることもあります。
一見、難しそうですが、絵心さえあれば意外と簡単にできます。まあ、絵心の無い私には無理なのですが...。
確か、東京三鷹にある『三鷹の森ジブリ美術館』では、併設のカフェでカプチーノを頼むとキキ(映画アニメ『魔女の宅急便』の主人公の少女)やトトロの絵を書いてくれることがあるらしいです。
私はインターネットでその写真を見たことがあるのですが、もう、ビックリするくらい上手に描かれていました。ココアではなくチョコレートシロップを使うそうですが、あそこまで行くと、もう芸術ですね。
ただ、そのカフェで働いているバリスタ(エスプレッソなどを淹れる職人)の中でも特定の人しかできないようで、必ずしもデザインカプチーノを見ることが出来るわけではないようです。
さて、一方のラテアートですが、エスプレッソにフォームドミルク(きめ細かく泡立てたミルク)を注ぐ事でハートやリーフの模様を作ります。作れる模様は基本的にハート型かリーフ型しかありません。
文章で書くと簡単そうですが、実はそれなりの技術が必要となります。単純な比較は出来ないのですが、技術的にはデザインカプチーノよりも難しいと言えます。
ラテアートを作る際、一番のポイントは『ビロードのような』と称されるフォームドミルクにあります。ふわふわのミルクでは駄目で、重くねっとりとした肌理の細かい泡で出来たミルクでなければなりません。
2〜3分立ての生クリームを想像してもらえれば一番分りやすいと思います。
次のポイントは注ぎ方で、これは言葉で説明するのも難しいですが、また覚える方も難易度が高いです。
最も簡単なのは、エスプレッソを淹れた大き目のカップに狙いを定め、一気にフォームドミルクを注ぐことです。フォームドミルクの出来が良ければ、注いでいるうちに『モコモコ』と渦状の模様が出来ますので、最後にカップの向こう側へ突っ切るようにミルクピッチャーを動かせば、ハート型ができます。
リーフ型は注ぎ口がくちばし状にとがったミルクピッチャーを使用し、フォームを押し出した後に細かく左右にゆする事で葉っぱの模様を作ります。
ラテアートを完成させるには、それなりに練習が必要です。特にミルクを注ぐ時間はわずか5、6秒程度ですので、慣れないうちは訳のわからないまま終わってしまいます。
上達するには実際にフォームドミルクの状態や注ぎ方を見るのが一番でしょうね。私は実物を見たことが無かったので、出来るようになるまで結構苦労しました。
上達すると、小さなハートを数個作ったり、枝分かれしたリーフを作ることも可能になりますが、今の私では全然話にならないです(^-^;
もっとも、私自身そこまでの技術は求めていませんが、もう少しはまともに成りたいと思っています。
ところで、ラテアートのベースとなるエスプレッソを淹れるには、エスプレッソマシーンが必要となります。現在、Gojuで使用しているのはイタリア Saeco社のVia Venetoというホームユースの物です。ドリンク類は一杯出しのストレート珈琲がメインなので業務用のエスプレッソマシーンは必要ないのですが、まあ、本音を言えばLA-CIMBALIあたりの2連式のものが欲しいところです。貧乏なので、今のところそんな余裕はありませんけどねぇ(笑)
何せ150万くらいしますから。
このVia Veneto、家庭用といっても、基本的な性能は業務用に比べ激しく劣るわけではありません。
抽出時9気圧(理想的なタンピングをした場合)、最大15気圧の性能を持つポンプで、エスプレッソは高いレベルで淹れることができます。クレマエンハンサーというクレマ(エスプレッソの表面に浮かぶ泡)を増強する機構が標準でついていますが、改造して外してあります。
良いエスプレッソというのは、表面を赤褐色のぽってりとしたクレマで覆われているのですが、クレマがあるから良いエスプレッソとは限りません。クレマエンハンサーが付いていると砂糖が浮かぶ位のクレマを簡単に作ることができますが、適切にエスプレッソを淹れることが出来たのか分り難いので外してあります。
また、クレマエンハンサーが付いていると、ポルタフィルター内の圧が逃げにくく、続けてエスプレッソを淹れるのに不自由します。抽出後すぐに外すと『ブシュッ』と粉が噴出して、ヘッド部分を汚してしまうのです。
なお、家庭用でも高価なものは3方向バルブというものが付いており、抽出後の圧力を簡単に抜くことができます。
ミルクの泡立ては付属のスチームノズルで行います。パナレロという、簡単にミルクを泡立てることが出来る特殊なノズルがついているのですが、これを使用するとふわふわの泡はできてもラテアートに適した重いフォームドミルクを作るのは困難です。
そこで、ホームセンターでエアツールのブロワーノズルを購入し、先端を薄いステンレスで閉じてから直径1mmの穴を一つ開けたものを取り付けています。
あまり出来が良いものではないので、扱いに少々苦労しますが、なんとか肌理の細かいフォームドミルクを作ることができます。
エスプレッソマシーンで業務用と家庭用の一番の違いは、ボイラーにあります。
家庭用のものはボイラーが一つで容量も少なく、電源を入れてから短時間で抽出可能な状態になります。しかし、容量が少ない為に抽出時の温度低下も大きく、味の面で不利になります。
また、ボイラーが一つしかない為、95度程度で淹れるエスプレッソと100度を超える温度が必要なスチームでは、サーモスタットで温度を切り替える必要があり、連続して操作を行うことが出来ません。
一方、大抵の業務用のものはボイラーが2つあり、エスプレッソを淹れながらスチームも同時に使うことができます。また、ボイラーの容量が大きいので、抽出時の温度変化も少なく、更に高温のドライスチームも安定して使用することが出来ます。その代わり、電源を入れてから使えるようになるまでに時間が掛かりますので、一日中、電源を入れっぱなしで使用するのが前提となります。
業務用のスチームは質も高く、持続力もあり、二つ穴や3つ穴のノズルが付いていますので、比較的簡単に理想的なフォームドミルクを作れるようです。
一般にフォームドミルクを作るときは、初めにノズルを浅く入れて空気を巻き込むようにフォーミングし、その後ノズルを深くいれてフォームが細かくなるように攪拌します。しかし、家庭用では同じようにやってもスチームの違いからなかなか上手く行きませんので色々と工夫が必要になります。
この辺りのコツも含め、時間が出来たらエスプレッソとラテアートのページを作成したいと思っていますが、果たしていつになるのやら・・・。
さて、現在Gojuではスタッフにラテアートの練習をしてもらっています。といっても、なかなか時間が取れるものではないので、遅々として進んでいません・・・(^-^;
今のところ安定してフォームドミルクが作れていませんので、まだまだ先は長そうです。
なお、念のために書いておきますが、綺麗にラテアートが描けていなければ良いラテではない、という訳ではありません。模様を作る技術(注ぎ方)と味は直接関係しません。ですが、ラテアートが出来ると言うことは、質の高いミルクフォーミングが出来ていることを証明します。この辺りがデザインカプチーノとの大きな違いです。ハートやリーフの模様は、言って見ればおまけです。
Gojuではラテとカプチーノを区別していませんので、現在のメニューにはカプチーノの名前で出ています。いずれ、スタッフが上手にカフェ・ラテを淹れれるようになったら、メニュー名を変更したいと思っています。
つまり、ラテ・アートの練習は、美味しいエスプレッソとカフェ・ラテをお出しする為のものなのです。もし、メニューのカプチーノがカフェ・ラテに変わっているのを見つけましたら、是非ご注文ください。
果たして、上手くラテアートが描けているのか、あるいはただの渦模様になってしまっているのか、いずれにせよ、滑らかなミルクフォームのカフェ・ラテである事をお約束します。
・・・ただし、その日がいつになるのか、あるいは、本当にその日が来るのかはお約束できませんけど、ね(;^_^A アセアセ・・・最終更新日:----/--/--(-)
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