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マスターの独り言
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- スタッフM
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【2005/11/21(月)】
GojuにMちゃんというスタッフがいます。N大学の1年生で、現在Gojuの最年少。県内でも有数の進学校を卒業しており、ちょっと小生意気で可愛い見た目にそぐわず(?)、私なんかよりよっぽど出来がいい子なのです。
そして、このMちゃん、今までのスタッフに無かった、ある素晴らしい特徴を持っています。まあ、素晴らしいと言っても、お店にとってという訳ではなく、私個人にとってなのですが...。
その特徴とは、【真性の理系】である、ということです。
『?・・それが?』
と普通は思うでしょうねぇ。
今までGojuのスタッフというのは殆どが文系で、「うーん、どちらかと言えば理系」という者が過去に2名いた程度でした。私も妻も完全に理系思考なため、興味を持つものや会話も必然的にそちらの内容になることが多いんです。
「なんか最近太陽系10番目の惑星が見つかったらしいよ」
「でも、それって小さすぎて惑星として認めるかどうか、まだ決まっていないんだよね?」
とか
「鳥インフルエンザがとうとう人にも感染したらしいね」
「まあ、遅かれ早かれいずれ人に感染する可能性は非常に高かったから。問題は人から人へ感染するようになるのにどのくらいの期間があるか、ということだろうな・・・」
「やっぱり人から人へ感染するようになるのかな・・・」
「現時点で撲滅しない限り、ウィルスの性質上いずれそうなるんじゃないの?」
などなど、ニュースでも興味を持つ話題は圧倒的に科学系のものが多いんです。
それと、二人とも大の遊び好き。遊びといっても主にアウトドア系のものなので、
「次の休みはどこに行く?」
「うーん、雪が降る前に、久しぶりに乳岩峡にでもハイキングに行こうか」
と、遊びに出掛けた帰りの車内で話しているくらい。お店の定休日である木曜日は、子供たちも頻繁に保育園を休ませています。
つまり、私と妻との間では、子供とお店の事以外はそういう系の会話が90%位(当社比)を占めているわけです。
ところが、スタッフとの会話となると、Gojuに関係するもの以外は共通の話題がなかなかありません。現在殆どのスタッフが私と一回り以上年が離れていることもあって、
『あーあ、しょうがないからマスターのオヤジギャグにつきあってやるか・・・』
みたいな、お情けを頂ける程度で(涙)
以前、水野美紀に良く似たスタッフがいたのですけど、ここ数年まともにテレビを見た事も無く、また芸能界に全くと言ってよいほど興味の無い私には『水野美紀』自体がさっぱり分りませんでした。
「『踊る大捜査線』に出ていますよ」
と言われても、『いかりや長介』『織田裕二』『柳葉敏郎』『ユースケ・サンタマリア』位は知ってても、顔さえ思い浮かばない。
「インターネットで調べればどうですか?」
と言われて、早速調べるも、どこをどう勘違いしたのか『水野‘真’紀』で調べてしまい、
「全然似て無いじゃん」
とまで言う始末。随分と経ってからようやく認識して、「うわ、(しゃべらなければ)そっくりだ!!」と...。
そんな訳で、テレビや芸能界の話しは私には無理。
一方、アウトドア系の話はともかく、科学系の話となると今度はスタッフの方が無理。
今まで随分と寂しい思いをしてきたのです。例えば、マンデルブロ集合というのがあります。インターネットに詳しい解説がたくさんあるので細かい説明は省きますが、次のようなものです。
仮に
Z^2 = x^2 + y^2
とした場合、Zが1よりほんのわずかでも大きいものは、それ自体を二乗していくと無限大に大きくなり、1よりほんのわずかでも小さいものは逆に0に限りなく近づきます。1はどこまで行っても1のままで、拡大と縮小の境目となり、xとyをそれぞれx軸、y軸とすれば半径1の円が描けます。円の内側は縮小する領域で、外側は拡大する領域です。
そこで、今度は
Z=x + yi(iは虚数)
としたとき
Z1=Z^2 + Z
Z2=Z1^2 + Z
・
・
というように、元の式を2乗したものに一番最初の式を加えるということを繰り返します。
xとyに任意の数字を入れて、無限拡大するか無限縮小するかを計算すると、面白い事が起こります。
x,yそれぞれ-2〜+2の範囲内に限定されますが、どこまで細部を拡大していっても、拡大と縮小の境界が確定できないのです。
言葉では説明し難いのですが、自己相似を表すフラクタルの一例として有名で、映像で表現するフリーソフトがいくつかあります。それを見てもらうのが手っ取り早いでしょうね。
(画像はx=-1.74654404482586、y=-1.66054938312889E-5の位置をmandelblotというソフトで20倍づつ拡大していったもの)
今まではスタッフにパソコンの映像を見せても、単純な計算の繰り返しで導き出されるその面白さを分ってもらえませんでした。
「へー、綺麗ですね...(で、何?)」
と、言う感じで...。
ところが、Mちゃんは違いました。
「えーー、何でこうなるんですか??複素数が入っているのがポイントですか!?へー不思議ですね!!」
と。
私がどれだけ嬉しかったことか(笑)
話しは変わって・・・
Gojuには1、2年程前からカベチョロ(ニホンヤモリ)が住み着いていて、夜、お客さんが帰った後にホールの玄関に姿を現してくれます。
初め、『カベチョロ』という呼び名を知らなかったので、
「あ、カベチョロですね!」
とMちゃんが言っても、
「なんじゃ、その『カベチョロ』って?」
と、疑って(小ばかにして?)いました。
「だって、おばあちゃんがそう言ってましたよ・・・」
『あれ、はずしちゃったかな・・』みたいなMちゃんの表情に、もしかしたら名古屋周辺の呼び方なのかと思い他のスタッフにも尋ねてみましたが、「そんな呼び方は知らない」というので、
「Mちゃんちだけの呼び方じゃないの?」
と言ってしまったことがあります。
ところがその後調べてみると、意外と一般的に使われていることが分り、後日謝罪することに。
「ごめん。『カベチョロ』って結構普通に使われているみたい」
「あ、そうなんですか。良かったぁ。うちだけかと思っちゃいましたよー」
「・・・ところで、カベチョロが壁に張り付いていられる仕組みって知ってる?」
「え、吸盤でくっついているんじゃないんですか?」
「そう思うでしょ。僕もそう思ってたんだけど、調べてみたら、実は足の裏に細かい毛が無数に生えていて、それが更に細かく枝分かれして、最終的には分子1個レベルの細さになるんだって。
それで、壁の物質とファンデルワールス力(りょく)で・・・、あ、ファンデルワールス力っていうのは・・・」
「分子間力のことですよね」
「おお!!・・・(じーーーん)」
いやー、もう、涙が出そうなくらい(嘘)感動しました。
今までだったらまず考えられない反応です。恐らくは分子間力を説明するのに一苦労していたことでしょうし、多分、適当に話しを濁していたに違いありません。
この時の喜びを例えるなら、遭難してたどり着いた無人島で孤独な日々を過ごし、別の生存者を見つけた時の喜びとでも言いましょうか(大げさ)
あるいは、五里霧中の闇の中に一条の光が差したとでも言いましょうか(日本語が違う)
どれほど私が嬉しかったか、分ってはもらえないでしょうねぇ(笑)
さて、このMちゃんですが、現在のGojuスタッフの中では珍しくインターネットもやっているというので、働き始めて間もない頃、通信販売のシステムを変更する際にテスターの一人になってもらったことがあります。
【テスト専用】ページにアクセスしてもらい、様々な操作をして【挙動】におかしな所が無いかチェックをしてもらったのです。
テストをお願いしてから2〜3日してMちゃんからメールが来ました。事実上、Mちゃんから貰う初めてのメールです。
以下、そのメール全文(本人の了承済み。ちょっと無理やりですけど)
◇◇◇ここから◇◇◇
【件名:】
ますたああああーこんにちはああああー
【本文:】
こんにちは◎
やってみました。買い物いっぱいしてみました。
全部で1000万円くらい買いました(笑)
1つだけあれ?と思うところがあって・・・
お買い物メニューの一番下に、サービス珈琲ってのがあったん
ですけど、
単価が 1234567円 となってました。
あれ???わざとですか?
サービスにしてはめちゃめちゃ高いですね。。。
世界中探してもほとんど手に入らない最高級品で、本当にあの
値段なら問題ないと思いますが、
もし、
なんじゃそりゃーそんなもの売っとらんぞー
なら、確認してみてください。
それとも私の見間違いとかなのかしら・・・
◇◇◇ここまで◇◇◇
『・・・・・・・』
あのー・・・、これでもあなたの雇い主というか、一応、社長なんですけど・・・。
それと、突っ込みどころ間違えてます。
Mちゃん・・・、日本語も勉強しような・・・。
人のこと言えないけど、さ。最終更新日:----/--/--(-)
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