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マスターの独り言
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- 氷の圧力と温度の近似式
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【2014/03/12(水)】
全くの私事ですが、ちょっと必要に迫られて氷の圧力(膨張圧)と温度の関係を求める近似式を探していたのですが、検索の仕方が悪いのか、かなり苦労をした挙句探しだせませんでした。
水は氷になると体積が約9%増えます。密封容器などに水を閉じ込め温度を下げると、水が氷となり体積膨張力が生じます。
この体積膨張力と等しい圧力を水に加えると、水は完全に氷になることが出来ず、水と氷が存在する状態となります。この温度と圧力をプロットしたものが、Bridgmanの水・氷の平衡曲線とよばれるものです。
この曲線は融解曲線とも言い、接線の傾きは下記クラウジウス-クラペイロンの式で求められるとしています。
ΔP/ΔT = L / T(Vl – Vs)
※P:圧力、T:温度、L:モル融解熱、Vl , Vs:液体、固体のモル体積しかし、この式では任意の温度または圧力に対する互いの値いを求めるのが面倒なので近似式を探してみたところ、“アトキンス「物理化学(上)」第4版 (株)東京化学同人”に次の式があるという記述を見つけることが出来ました。
P/bar = 1.0-3.54×104×ln(T/273.15K)
ところが、これを検証してみると-22℃おける圧力が300MPaほどになり、理論値、実測値共にかけ離れてしまいます。そこで上記を原型に-22℃で210MPaを示す式を求めてみたのですが、今度は-5℃付近の圧力に明らかなズレが生じてしまいます。
で、結局は融解曲線が2次曲線の一部に類似していることから、0.1MPa/0℃、210MPa/-22℃、-5℃における圧力を57.57MPaとして次の式を導いたところ、近似値を得ることができました。
P = -0.11488T2 – 12.0684T + 0.1
T = {-12.0684 + √(145.6923 – 0.45952P)} / 0.22976
※P/MPa T/℃ (T = -22〜0℃)ま、普通は必要ないでしょうけど、何らかの理由で必要に迫られた場合は参考にでもしてください。
うーん、それにしてもどこかに近似式くらいはあるだろうと思ったのだけど、よっぽど検索の仕方が悪かったのかな。1周間以上探したのに…。
最終更新日:2014/04/11(金) 16:00:36
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